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パイプオルガン


 1889年生まれのこのオルガンは、アメリカ合衆国ロードアイランド州の首都プロビデンスのクライストチャーチにありました。しかし、この教会は、都市復興計画の犠牲となって、1980年クリスマスイヴの礼拝を最後に閉鎖せざるをえなくなりました。

 翌年3月、その教会の通りは廃れ、放火の恐れが多分にあるという知らせを受けたオルガンヒストリカルソサイエティ・アメリカは組織の一部であるオルガンクリアリングハウスに依頼し、直ちにオルガンを教会から救い出す作業に取りかかることになりました。ディレクターのローフマン氏は休暇に出発する寸前に連絡を受け、緊急の作業に取りかかったのです。
 
 オルガンは、2日間をかけて取り出されました。そしてその日のうちに、米国在住のオルガニスト林佑子氏と出会ったのです。林佑子氏は、母教会である横浜聖アンデレ教会に、「19世紀の優しい丸い音のオルガンを入れたい」という夢を持ち続けていました。他にも多くの希望者があったため、直ちに引き取るという厳しい条件ではありましたが、幸運にも横浜教区への贈り物となるよう多くの方の助けがあり、1985年暮れ近くこのパイプオルガンは横浜聖アンデレ教会聖堂2階正面によみがえったのです。オルガンの祝別は、1986年1月19日、教会設立100年記念礼拝の中で行われました。
このパイプオルガンは横浜で一番古いものです。
 
 このオルガンは、私たちが礼拝を守る上でとても大切なものであるばかりでなく、その歴史的な価値も高く認められています。また、その音色は、この時代のいわゆるロマンチック・オルガンの特徴をよく備えており、音色は丸く、やわらかく、また、甲高い響きが抑えられていて、時に荘重な響きは教会のみならず、音楽愛好家の宝といえます。

なとみらいホールとの関わり

当教会オルガニスト 三浦 はつみ さんが活躍しています。



朝日新聞 2020年12月25日